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あつさあたり

2008.08.09(00:21) 228

連日暑い日が続きます。
無意識でしたが、最近の冒頭、書き出しは暑さに触れていることが多いですね。
今朝の空1    今朝の空2
でも、日中は暑い暑いと言っても、ここのところ気持ちの良い朝が続いています。
そんな日は、早起きして空を見てみるのも良いものです。
上は今朝5時頃の空、下が今朝の7時頃の空です。
暦の上では立秋を過ぎ、暑さの時候見舞いを出す時は、もう「残暑見舞い」と言うことになるのですが、今日も都内は猛暑日を記録したとのこと、まだまだ暑中真っ只中です。

こんな日続きですから、やはり例年に増して暑気中りになる方も多いと聞きます。
“しょきあたり”、つまり“あつさあたり”と言うことになりますが、これを漢字一文字で表しますとあつさあたりなります。
この漢字は、音読みで“エツ”、訓読みで“あつさあたり”と読みます。

この内、右側の曷だけだと、“カツ“・“アツ”・“もとめる”・“なんぞ”と読みますが、漢字の持つ意味としては、読みのまま「もとめる」、「いのる」とか「そこなう」あるいは「なんぞ」、「いずれ」といったものがあります。
さらにの成り立ちを見ますと曰+カイに分けられます。
その内、は祈りの言葉を入れる為の器、%8A%BF%8E%9A%83J%83Cは人の骨を表します。
神への願いを納めた聖器に、人骨を用いる呪術によって、神様に祈り、願いが叶うことを求めているということになります。
祈りによってお願いをかなえてもらいたいという思いは、当然乞い願う、求めて止まないと言う感情を孕むことになります。
同じようにして曷を部首に持つ漢字に、喝・渇等がありますが、「口喝」と言えば喉の渇きで水を求める様、「渇望」なら強く望むと言う意味に使われています。
東洋医学で「消渇(しょうかつ)」と言えば、多飲・多尿・多食を特徴とする、今で言うところの糖尿病のような症状に対して付けられる病証名であります。

他にも曷に草冠を載っけると葛(くず・カツ)という漢字になります。
葛はマメ科の多年草で、その根は漢方薬の葛根湯として、馴染みの深い植物です。
葛は繁殖力旺盛であり、その生育力を買われアメリカでは緑地化推進の植物として積極的に植えられていたことがありましたが、長く伸びる蔓(つる)が他の木々に巻き付き、若木の生長を妨げになるなど、今アメリカにおいては、侵略的外来種の指定を受けているそうです。
よく外来種によって、日本固有の種が絶滅の危機に瀕していると言う話を耳にしますが、葛に関しては全くその逆もあるのですね。
大昔は、その長く伸びる蔓を加工して服として着ていたそうです。
加工された葛の蔓の服は、粗い生地であった為、葛巾(かつきん)と言って野人等の着る服とされていました。
こうした粗い布でこさえた服は、褐(あらいぬの・わたいれ・カツ)とも呼ばれ、後に葛の繊維色であった褐色と言う色を指し示すことになりました。

夏休み、行楽の後に肌が褐色に焼けている方を多く見かけます。
僕はもともと色白で、職業柄ほとんど屋内に閉じこもりっぱなしなので、健康的な褐色の肌というのに憧れてしまいます。
学生時代、陸上部で毎日外を走っていたのにも関わらず、あまり日焼けが残らない身体だったので、競技会に出た時は、あまり練習していない人に見えて、スタート前から何となく居心地悪く感じてしまいました。(笑)
その逆に、真っ黒に日焼けした人を見ると、無条件で速そうだなと感じてしまいます。
そんな心理は、僕だけじゃないようで、同じ陸上部の後輩がプールの監視員のバイトで全身黒人選手のように真っ黒黒の身体になり、そんな身体で競技会に臨んだものですから、周りの選手に随分と意識されてしまったようです。(本人にとってはプレッシャーだったそうですが・・・・)

蛇足ですが、日に焼けた肌を小麦色とも言いますが、改めて考えてみると小麦の色っていまひとつイメージが湧かないですね・・・・。
小麦色の由来ってどこから来ているのでしょうか?

日に焼けて褐色の肌になるのは良いですが、日に当たりすぎてあつさあたりの状態にならぬよう、お気をつけ下さい。

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漢字の日

2006.12.12(23:28) 149

今年の漢字は「命」 誕生、自殺...大切さ痛感

毎年恒例となっている今年一年を象徴する漢字が発表され、今年はと言う字に決まったそうです。
確かに今年は「」の重さを考えさせられるような出来事が多かったですね。
とりわけ、いじめを苦にした自殺のニュースを目にすると切なくなってしまいます。

」という漢字の字源を探っていくと
命象形

と言う字は、令と口と言う字によって構成されています。
この中でと言う字は礼冠を戴いて、ひざまずいて神様のお告げを待っている様を表しています。
そこから令と言う字自体には”神の啓示”という意味合いも含まれています。
そしてと言う字は、祝?を納める器になります。
つまりは、この二つの文字が合わさると、神に祈りを捧げ、その啓示により与えられたものが
命

となるのであります。
人の寿命というのは天から与えられるものであるという考えが、そのまま漢字として表されています。
いつも漢字が凄いなあと思うのは、たった一文字でそのものの事象が全て凝縮されている点です。
天より与えられた命は、それが他人の命でも自分の命でも決して蔑ろにしてはならない、という意図がこの「命」という漢字に読み取れる気がします。


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2006.10.27(13:15) 130

が赤くなると医者が青くなる」
柿


の美味しい季節になりました。
皆さんは、柔らかく熟したの実とシャキッと歯ごたえのあるの実、どちらがお好みですか?
聞く人によって、答えはまちまちですが、僕は歯ごたえのある実が好きです。
写真の中にある一際大きいは「太秋柿」という品種で、見ての通り通常の柿の1.5~2倍の大きさの柿です。
熊本県がその産地ですが、最初見たときはあまりの大きさにビックリしてしまいました。

柿と言えば、冒頭に挙げたように、ビタミンCとビタミンAを豊富に含んだ栄養価の高い果物で、お酒を飲む前に食せば悪酔いしにくいとか、二日酔いにも効き目があるとされ、飲んべえさんには誠に心強い食べ物と言えるかも知れません。
かの石田三成が処刑される前、柿を勧められたところ、「柿は痰の毒になるから」と言って固辞したエピソードがありましたが、実際には去痰(痰を取り除く)作用があり、風邪引きで痰の切れが悪いときなどは、この柿を食べる事が良いとされています。
しかし、美味しいからと言って、食べ過ぎれば身体を冷やし、消化不良や便秘、或いは妊婦さんなどでは流産しやすくなると昔から言われていました。
なんでも過ぎることは良くないと言うことですね・・・。

ところで、新改築した劇場で最初にやる劇や映画公演のことを「柿(こけら)落とし」なんて言います。
この「こけら」という字に柿と言う字が使われていますが、一説によると「こけら」と「柿」の漢字はそれぞれ異なる漢字であるという考えもあります。
それぞれの漢字をより詳しく見ていくと、「こけら20061027134230.jpg
となり、字画は8画です。(木)+(ー)+(冂)+(I)=”こけら
「かき」は20061027134315.jpg
で、字画は9画になります。(木)+(亠)+(巾)=”かき”
現在のJISの基準では、これらの漢字に明確な違いを裏付ける根拠がないと言うことで同様の漢字として扱われています。
蔵府も名称を表すという字がありますが、常用漢字ではこの漢字の右側のつくりはshi
となっています。
しかし、もともとの成り立ちを考えるとhai
の字が正確なのだと思います。
もともとhai
は、腰に巻く帯(ー)の下から、巾(まえかけや膝かけのような布)が垂れている様を表し、その読み方も”ハイ”と読みます。
東洋医学の生理からすると、は蔵府の一番高いところにあって下の蔵府に気を散布すると言う性質を持っていますので、まさしく前掛けのように下に垂れて表面を覆うと言う状態にピッタリ符合します。
とは言っても、いまはと書くのが正式な漢字になるので、お間違いないよう。



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音を表す漢字

2006.06.16(00:04) 105

東洋医学の本を読んでいて、一番困ってしまうのは、ある物の音や状態が漢字を使って表現されている時です。
例えば、「背中の辺りがゾクゾクする。」と言われれば、風邪のひき始めだとすぐに合点がいきます。
また「咳が出て、呼吸がゼイゼイとなった。」と言われれば、さらに風邪の症状が手に取るようにわかるようになります。
このように擬態語、擬音語を使うことによって、色々な単語や形容詞を使うよりも、もっと簡便に、そしてより生々しく表現をすることが可能となります。
しかし、これが中国の古医学書に著されている表現ともなると、これら擬態語・擬音語を理解するのにいつも一苦労してしまいます。
上に挙げた「ゾクゾク」といった言い回しが、ある箇所には「淅淅(せきせき)」とされていたり、また「ゼイゼイ」であれば「喝喝(かつかつ)」と表現されていることもあります。
こういった表現は、実際にその言葉を発音したり、また当時の時代背景・生活背景なども知っていないと字面だけで言葉を理解しようとしてもなかなか難しいものがあります。
ですので、僕などが「いつもニコニコ笑っている」とか、「お腹がシクシクと痛い」と、普段何気なく使っていますが、初めて日本語を学ぶ外国の方にとってはとても難しいのだろうなあと感じてしまいます。

ちなみに、一文字である音を表現した漢字にこうっいたものがあります。

20060616000400.jpg


この漢字一文字が訓読みで「ほねとかわとがはなれるおと」と読みます。
音読みでは「カク・ケキ」と読みます。
一文字で、ここまで読ませるのは、恐らくこの漢字が一番長い読みになるのではないでしょうか?
しかし実際に、骨と皮とが離れる音というのは聞きたくないですね。


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字画の多い漢字

2006.05.06(10:32) 95

前に大漢和辞典にまつわるお話しをさせてもらったことがありますが、その大漢和辞典なら、もっと多い字画の漢字があるのではないかと思い、早速調べてみることに・・・。
すると、ありました
最も多い字画を持つ漢字で、何と64画。
りゅう

前回調べたときに一番画数が多かった漢字は、この龍という字が三つ重なった形状を持つ「トウ」という漢字で48画でした。
ちなみにこの漢字は「テツ」「テチ」 と読み、意味は「よくしゃべること。多言なこと。」だそうです。
確かに、これだけ龍のオンパレードだと多言という表現は何となく納得できます。

それと、もう一つ64画の漢字があって、
こう

こちらは「セイ」と読むらしいのですが、意味は分からないとのことでした。
2つの漢字とも、パッと見、漢字と言うよりも何か模様か絵柄のように見えてしまいます。(ラーメンどんぶりの絵柄にありそうな・・・・)
龍にしても、興にしても見慣れている漢字ではありますが、さすがに四つも重なっていると何とも奇異な感じがしますね。

もうこれ以上の画数を上回る漢字はないだろうと思っていたら、
・・・ありました
「おおいちざ」と言う漢字で、総画数79画。
おおいちざ

ここまでくると、もはや一文字の漢字と言っていいのかさえ分かりません。
この漢字は、国字(日本で作られた漢字)といわれるもので、江戸時代の戯作者に戀川(れんがわ)春町と言う人がいて、この方が自分で作ってしまったと言われているようですが、本当のところはどうなのでしょうか?
意味は、「おそろいのなかではく」と言うことだそうです。
一昔前は、こんな「おおいちざ」な生活をしていたこともあったような・・・。

さらに、さらに84画という漢字があって、いま、確認できる中では恐らくこの字が一番画数が多い漢字になるのではないでしょうか?
たいと

この字もまた日本で作られた国字で、「たいと」「おとど」「だいと」と読み、苗字に使われる漢字だそうです。
実際にこの字の苗字を持つ人がいるかどうかは分かりませんが、テストの際は自分の苗字を書くのに随分と時間がかかってしまい、きっと大変でしょうね。



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  1. あつさあたり(08/09)
  2. 漢字の日(12/12)
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  4. 音を表す漢字(06/16)
  5. 字画の多い漢字(05/06)