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疳の虫

2006.02.22(23:30) 71

諺にも「腹の虫が治まらない」「虫が好かない」、「虫の居所が悪い」というと、大体にしてあることに対して気に入らない心理状態であったりとか、不機嫌な状態に使われる言葉であります。
昔の人は、お腹の中に虫がいて、それがなにがしかの悪さをすると、上に挙げたような気持ちを引き起こすものと考えていました。
つまり疳の虫というと、小さいお子さんにも虫の居所が悪いような精神状態が強く出ている場合のものを指しています。
例えば、夜泣きであるとか、周囲が耳を塞ぐような位、泣いて止まないとか、癇癪をすぐ起こしやすい、不機嫌、誰彼なくかみつく、落ち着きがないなどの症状を総称して疳の虫と言っています。
子供の場合は、大人と違い、疳の虫が動き出すとき、それを制する力(理性)がまだ発達しておらず、どうしてもこういったものが現れやすい状態にあります。
現代医学的に言うと自律神経の調節が上手く働かない状態にあると言えるでしょう。
治療はとりもなおさず、この自律神経の調節を行うことにあります。
この場合、背中をある一定の方向に撫でさすってあげるだけでも、効果を期待できますし、普段からこの疳の虫が悪さをしないよう、その虫が居座る消化器系の状態を強める為の治療を行います。
その際にお灸をしたり、小児鍼と言って通常の鍼とは異なる器具を使って治療を行います。
小児ばり


治療そのものもツボの流れに沿って、これらの鍼を撫でたりさすったりする方法で、高ぶった気持ちをなだめるような心持ちで治療をしていきます。
大人でも、疲れている場合などに、この疳の虫をなだめることが出来ず、ついつい気持ちが尖ってしまうようなこともあります。
特に腹の虫が鳴ったとき、つまりはお腹が減った時などは、機嫌が悪いような人も多いのではないでしょうか?(笑)

疳という字を分解してみると、やまいだれは病人が臥すベットを表現しています。
そして甘という字は左右の上部に横から鍵を通した状態を表現していて、中にものを含む、封じ込めると言う意味合いを持ちます。
つまり疳の虫というと、体の中に封じ込められた虫が悪さをすると言うところから、この字が当てられているものと思われます。
体の中の虫というと、真っ先に寄生虫と言ったものが頭に浮かぶかと思います。
東洋医学の本の中にも、虫が冷えて動けなくなり腸胃が塞がってしまったり、食べ物につられて虫が上に登るというように記載されている部分がありますが、イメージする寄生虫の概念と少し外れる部分もあるかと思います。
寄生虫というとどうしても負のイメージを抱きがちですが、中には体の調整に一役買っている虫もいるんですよね。

ところで目黒に寄生虫博物館という施設があるのはご存じですか?
http://homepage2.nifty.com/callon/
学生時代に、行ったことがあるのですが、僕みたいな物好きは少ないだろうと思っていたら、意外にも多くの人が来場されていてビックリした覚えがあります。
興味がある人は、一度行かれると面白いですよ。
(ホームページ冒頭の写真は、なかなかドキッ!とします。お食事中の方などは閲覧を控えられた方が良いかも!?)

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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


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