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耳の日

2006.03.03(22:51) 75

今日はひな祭り、桃の節句でもあります。
それとは別に3(ミ)・3(ミ)で耳の日ということにもなっています。
ですので、今回は耳にちなんだ話をしていきたいと思います。

耳の役割は音を聞き分ける以外に、平衡感覚をも調整しています。
メニエール病と言って、突然に耳の聞こえが悪くなって、また耳鳴りを伴うような、激しい眩暈を引き起こす病気があります。
詳しい原因ははっきりとはしていませんが、これは耳を構成する部分に内耳という平衡感覚を司る箇所があって、その内耳を潤すリンパの流れが阻害されることで浮腫を生じ、結果上にあげたような症状を発現すると考えられています。

東洋医学的には、耳は腎という蔵府と重要な繋がりがあるというふうに考えています。
現代医学における腎臓とは少しニュアンスが異なり、東洋医学における腎の役割は、泌尿器・生殖器に関わること以外に、最も大切な役割として、両親から受けついだ先天の気をこの腎において貯蔵しています。
先天の気と言っても、少しピンと来ないかも知れませんが、人間の誕生に際しては、父親の精子と母親の卵子が合わさって初めて命を形成するようになります。
この時、生じた生命の灯火こそが先天の気と呼ばれるもので、人間はこの先天の気を終生担保として、後天的に食べ物を取り入れたり、呼吸をして自らの生命を維持していこうとします。
この先天の気が不足したり、それを貯蔵する腎が上手く働かないと泌尿器・生殖器に関わるトラブルに見舞われたり、また不妊症などもこの腎の弱りに大きく関係していることもあります。
そして、歳をとると耳が遠くなったりしますが、これは先天の気たる腎の力が不足することで、その関連する耳に影響が及んできていると言えるでしょう。

耳というのは、腎を根っこに例えるとその先につく葉っぱのようなもので、耳の形や大きさ、はたまた色つやなどがそのまま腎の状態を表していることになります。
先天の気を貯蔵する腎が精神的に与える影響は、気持ちの安定と、賢さであり、それは耳がつく漢字に聡明とか、「耳さとい人」と言う意の聖という字に見られることからも、腎の充実・安定した状態であれば、人の性質はこれらの漢字に符合した状態となります。
仏像や観音様等の耳を見ると、耳が一見して大きく、耳たぶが垂れ下がっているかと思いますが、これらも腎の力が満ちあふれた状態を見てとることが出来ます。
ただ面相学的には、ただ大きい耳が良いと言うことではなく、顔全体の調和が取れているかどうかも、判断の基準となります。
また先天の気が旺盛だからと言って、そう言うタイプの方は体が頑強なぶん却って、無理を重ね、この先天の気を著しく消耗しやすかったりします。

高血圧患者さんの治療の際、耳の裏側の溝の部分を高圧溝(こうあつこう)と呼ばれる箇所に、細絡と言って、糸くずのような赤い筋状の血管を認めるときなどは、ここに鍼をして、血圧を下げたりします。
また腎の働きを見るときに、耳を折り曲げたりして痛がりはしないか、もしくは耳が真っ赤な状態を認める場合、その人がのぼせている状態がないかどうかを観察したりもします。

僕の場合は、眼鏡をかける時に、この耳の存在は大変重宝しています。
耳の高さは必ずしも同じではないそうで、眼鏡を作るときはその耳の高さの違いを計算に入れて、あつらえるそうです。
実際に解剖における腎臓は左の方が右よりもやや高い位置にありますので、そう言った違いが耳にも反映しているのでしょうか?
そう思って観察してみると面白いかも知れませんね。
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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


2006年03月03日
  1. 耳の日(03/03)