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へそが茶を沸かす

2005.09.17(23:41) 16

今日は“おへそ”のお話しです。
色々な訴えで、はりやお灸をすることがありますが、中にはおへそがジュクジュクしてしまうと言うことで治療をすることがあります。

“おへそ”もツボの一つで、神闕(しんけつ)という名前があります。
とは言っても、おへそにハリをすると言うよりは、他のお腹にあるツボの目安としたり、治療によって起こる身体の変化をおへその形から読み取ったりする場合に、この神闕に着目することがほとんどです。
しかし時には、慢性的な下痢が続く場合、“塩灸”と言っておへそに粗塩を盛り、その上にもぐさを置き温めたりすることもあります。

元々、おへそには、母親の胎盤と繋がるへその緒が延びていました。
我々の胎生時には、へその緒を通して母体から酸素や血液などの供給をうけ、母親のお腹の中で養われていくのです。
ですから、神闕の神というのは、母親との生命(神気)の交流をしていたことを表しています。
また闕の字は凵の形に凹んでいると言う意味を持ち、おへその形状を表しています。
おへそは我々が母親の中で養われていた頃、命の交流が為される門戸であったわけです。
そう考えると、自分のおへそでもとても愛しさを感じてしまう気がしますね。

ところで、おへそは漢字で書くと“臍”と書きますよね。
漢字で書くと急に難しい字になってしまって、普段馴染みの“おへそ”もちょっと近寄りがたい感じになります。
右側に位置する齊の字ですが、元の原形は◇の形のものが三つ並んだ様を表すことから始まっています。
この◇が何であるかと言うと、かんざしの様な装飾品とも稲穂などが並んでいる状態であるとも言われていますが、要はそれら◇のものが、きちんと並べられている状態を表すものと言われています。
ですから齊には“きっちりと揃った”とか、“整然と並んでいる”と言った意味を持っています。
また齊は斉の原字ともなっています。
例えば、この斉の字が含まれている剤と言うのは、一服ずつ分量を量って(分量をきちんと揃えて)薬を調合した“薬剤”という使われ方をします。
東洋医学ではこの臍が体の中心にすえられて、そこから上下左右が位置づけられていると考えています。
そのことが、“上下左右の位置を明確にして、きっちりと揃える場所”と言うことになって、この齊の字が当てられているのです。
やはり体の中心たるおへそだからこそ、胎児と母体とを結ぶ命綱がここにきているわけですね。

ちなみに「臍が茶を沸かす」と言うと、腹がよじれるほど大笑いすると、あたかも臍から沸騰してお腹が沸き立つ様に見える所から、この言葉が生まれたそうです。
小さい頃に、友達にこの言葉を言われて(多分その子も意味も分からず使っていたと思うのですが・・・)、実際に自分のおへそに水を入れたヤカンを置いてみたことがありましたが、湯が沸くどころかお腹が冷たくなって気持ち悪くなった覚えがあります。
やはりおへそはお灸が良さそうですね。
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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


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