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春と腹部膨満感

2007.03.12(21:08) 161

春は出会いと別れの季節とも言われています。
卒業式や入学式、はたまた会社では移動や新入社員を迎え、ガラッと環境が変わる季節でもあります。
必然的に職場の歓送迎会での暴飲暴食がたたり、季節の始まりからお腹の調子を崩すなんて言う方も多いかと思います。
そんな時は総じて、お腹が張って苦しいとか、何となくみぞおちの辺りが気になって仕方がない等と訴えるようになります。
それを腹部膨満感だとか、あるいは腹部不快感と言うように表現されますが、これは先に述べた如く、何も暴飲暴食によってのみ起こるだけではありません。
例えば精神的なストレスを受けたり、ドッと疲労感を感じたような時、はたまた女性であれば生理前後等にもこういった症状を来すことがあります。
治療をしていると、潜在的にこうした症状をお感じの方は意外に多いなぁと言う印象があります。
大概の方はそれら膨満感が我慢できない症状でもないし、その内良くなるだろうと言うことで、特に治療をするでもなく、場合によっては市販の胃薬などでしのぐという方法をとっておられるようです。
中には病院に行ってみたが、検査を受けても特に異常は見られないとのことで、何も治療はしないで帰ってきたという方もいらっしゃるかと思います。
実際に検査をして何らかの原因・異常があれば、それなりに処置の施しようもあるかもしれませんが、前述したように、この腹部膨満感・不快感という症状においては、何ら異常を認めないというケースも多く、そうなると、なかなか治療の施しようがないという症状でもあります。
東洋医学では、このようなお腹にまつわる膨満感、不快感を総称して「心下満(しんかまん)」と呼んでいます。
字が現すとおり、心下(心臓の下)あたりが張り満ちて悶々となるような様を指し、急性の腹痛や体の様々な苦痛に耐えようとみぞおち辺りにグッと力が入っているような症状なども、この心下満の範疇に入ります。
原因としては、消化器系の仕事にあずかる脾・胃の弱りや、ストレスなどによって影響を受けやすい肝・胆と言った蔵府に問題が生じています。
特に春先は、この肝・胆という蔵府が亢進しやすい季節でもあり、肝・胆と拮抗関係にある脾・胃を抑えることによって、この時期、心下満という症状をきたし易くもあります。
抑えようもない怒りをグッとこらえる様な時を「腹にすえかねる」とも言いますが、兎角心理的なストレスといったものは、お腹に直接影響します。
さらに東洋医学では、みぞおちからお臍くらいまでを中焦と言って、食べた物を吸収し、それを栄養として全身に巡らすという重要な役割を担う部分でもあります。
この部分が上手く働かないと、疲労感が抜けなくなったり、集中力が持続しない、気持ちが沈鬱になると言ったような様々な症状にも派生することとなります。
こう言った心下満という症状に対しては、鍼灸治療が得意とする症状であります。
何か事をはじめるには「腹の据わった」状態で臨むことが肝腎です。
心下満で「腹にすえかねる」状態とならぬよう、春のさわやかな陽気のようにお腹をリフレッシュしましょう!

蛇足ですが、
我々鍼灸師の仲間内では、お腹の膨満感を感じるような時は、「今日は朝から心下満だ。」なんて言う会話を普段からしています。
こういうのを業界用語というのでしょうか?(笑)
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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


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コメント
青峰先生、こんにちは。
昨晩、焼き鳥食べ過ぎまして、私も今日は朝から心下満です。
毎回こうなると解かっていながら、やめられないです。
先生も数字?で心下満だったりして・・。
【2007/03/15 08:44】 | 薬院 #t4.ofNFI | [edit]
薬院さん、こんにちは。
更新が滞っておりまして、ご心配お掛けしました。
色々と立て込むことが多く、ようやく一段落?しそうな模様です。
一段落がてら、これからの花見を満喫したいと思っております!
【2007/03/30 22:25】 | #- | [edit]
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