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鍼と針

2005.09.27(00:28) 19

まだ鍼治療を受けたことがない人などは、恐らく“はり”という言葉を聞いただけで「痛い!」というイメージを持たれるのではないでしょうか?
“はり”なんて聞くと、多くの方がこちらの“針”の字を想像するかと思います。
針という漢字から受けるイメージというのは、病院の注射針だとか、裁縫に使う針、もしくは釣り針等を考えてしまうので、治療で用いる“はり”もそれらのものと同様の形状あろうと思っておられる方も多いかと思います。
結果、「“はり”は痛い。」とか「“はり”を刺すと血が吹き出す。」という先入観に繋がってくるのではないかと思います。
しかし、我々が使う教科書や古来から伝わる文献などには“針”ではなくて“鍼”という字が多く使われています。
ただ、この“鍼”という字は、一般ではあまり見慣れないし、“はり”という風に読めない方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか?
それに“針”が“鍼“になったと言っても、漢字そのものから受けるイメージは、却って難しい字になったことで、益々はり治療から敬遠したくなりそうです。
そういったこともあって、現在、恵樹堂では平仮名で“はり灸”と言う風に標榜しています。

実際に、「“鍼“と“針“はどう違うのか?」「鍼という漢字が難しいので、分かりやすく針という風に簡素化されたのではないか?」と言われた時に、僕自身、返答に困ってしまったことがあります。
学生時代には、“鍼”は治療で使うはり、“針”の方は裁縫などで使うはりという風に言われたこともありますが、それだけではなかなか納得しづらいとことと思います。
そこで、針と鍼をそれぞれの字の成り立ちに目を向けてみますと・・・・、

まず、針の字は金偏に十という字で出来上がっています。
ここでの十は数字の10ではなく、辛のことであると思われます。
辛という字は、昔、入れ墨を彫る時に用いられた針の形であります。
つまり、金と十で針そのもののを指すことになるわけです。
では、鍼はと言うと、金偏に咸という字から成り立っています。
この咸という字は、口と戉(ほこ・まさかり)によって形成されています。
この中で口というのは、誓いの言葉や祈りの言葉を収める器を表しています。
その器に聖器である戉を加えて、中の言葉を守る(封をする)という意味になります。
つまりは咸という字で“封じ込める”とか“塞ぐ”などと言う様な意味を持つことになります。
この場合、僕なりの解釈になってしまうので、本当のところはちょっと曖昧なのですが、鍼と言うのが病邪を封じ込めて、病に侵されている身体を健康体に戻すという役割を担うことからこの鍼という字が使われているのではないかと思います。
ただ針を刺すと言うだけではなくて、そこには病気にて身体に生じた問題を、鍼を刺すことによって改善させるという目的があるわけです。
鍼が怖いので、身体が辛くてもなかなか鍼灸治療を受けてみようと思えない方こそ、是非、はり治療を体感して頂きたいと思います。
鍼にも色々な種類がありますが、現在主に使われている鍼は、それこそ髪の毛の細さぐらいのもので、注射針や裁縫針とは比べものにならないくらい細いですし、まして痛いとか怖いなどと言うことはありません。
少しでも多くの方が、町で“鍼”という字を見かけても、すぐ“はり”と言うふうに読んで頂けるよう、日々、皆様の健康に貢献していきたいと思っております。
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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


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