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腰のくびれ

2008.06.09(23:58) 196

ここ最近、腰痛で来院される方が多いように感じています。
治療をしていると、季節によって、その季節特有の症状でお悩みの方が、ある時期集中的に重なることがあります。
例えば、それは春先に起こる花粉症も、春という季節を迎えて起こるその季節特有の症状と言えます。
元来、自然環境の移ろいに身を置く我々は、気候の変化に合わせて、その時の温度変化や風向き、乾湿に柔軟に適応しております。
しかし、身体に弱りや歪みがあった場合、それらの気候変動に身体が対応することが出来ません。
そうなると、その季節特有の気候変化が、身体にとって病気の原因となる五邪(風暑湿燥寒)という性質となって、その人の身体に様々な症状・病を引き起こしていきます。
ですので、ある季節に同じ様な症状で悩みを共有される方が増えるという現象が見られるわけです。
それで言いますと、これからの雨期(梅雨)は、周りに湿気を帯びています。
その際、暴飲暴食やもともと胃腸の働きが悪いなどで身体に湿をため込んでいると、外界の湿と呼応して、身体の気血の巡りが滞りやすくなり、身体を動かす働きが緩慢となってきます。
症状としては、身体が重く、だるく感じたり、急性的にこれらの湿邪にあてられると筋や関節に烈しい痛みを生じて動けなくなることになります。
特に腰は、身体の水分の調整を主る腎の状態が反映しやすい箇所ですので、身体に余分な湿が取り込まれれば、それだけ腎の負担が増すことになり、ある時突然のギックリ腰などに見舞われやすいのであります。
また、リウマチの方や痛風の方もこの季節に状態が悪化しやすくなります。
こういった湿邪が原因による症状は、その湿邪の性質から慢性に移行しやすく、一時軽くなったからと言って、その後の治療を疎かにしてはいけません。
しっかりとその元の身体の弱り・歪みを見直す為の治療を行い、慢性にならないうちにしっかりと治療を受けることが、その後の予防にも繋がります。

ちなみに、
腰と言う字は、肉月に要と書いて『腰』になりますが、もともとは『要』一文字で“こし”という字でした。
要という感じの成り立ちを見ていくと
腰

中央に人間の胴体があって、それを左右から手で腰を締めている姿を表しています。
上から2番目の字形は其の下に女性が描かれていて、男性よりも女性の方がウェストが細い
と言うことから、女と言う字が当てはめられているものと考えられます。
腰に関する記述は、昔の医学古典〈黄帝内経素問〉の中に記載されていて、「腰は身の大関節にして、屈伸を司る所以なり」とあります。
これからも分かるように、物事の重大な要(かなめ)というのはここから派生しています。
要領というと、「重要な点」と言うことですが、要領の要は「腰」を指し、領は「首」を指しています。
つまりは腰と首は身体の大事な場所であり、それをまとめて「要領」というように表現しているわけです。

また、要は、腰を左右から締め付け細くしようとする様を現していますが、つまりは無理矢理にその状態にしようとする、つまりは「強要する」という言葉にも通じてきます。

昔の人は、スタイルの良い女性の人を「柳腰」等と形容して、ことさら腰の細さを美人の条件として見ていたようですが、現代の女性も「ぽっこりお腹は美容の敵」などと言って、少しでも腰回りを細く見せようと試みている辺りは、昔と変わらないようかもしれません。
しかし、あまりに腰回りに気を遣うあまり、度を超した無理なダイエットを自らに強要し、体調を崩しては元も子もありません。
腰は身体の要です。
だからこそ、腰周りだけに意識を集中するのではなく、身体全体の健康状態にも合わせて気を回して頂ければと思います。
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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


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