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2008.07.11(22:33) 213

先日、この時期にはめずらしい蟹を頂きました。
滅多にお目にかかることのない蟹ですが、この時とばかり、思う存分に頂くことにしました。
蟹


しかし、実際蟹を食べようと思うと、意外と面倒なのが、殻を剥く事ですよね。
その手間があるから、食べれる時が、また格別なんだという風に仰有る方もいますが、あいにく横着者の僕ですので、出来ればこの手間が無く食べられるのであれば、もっと良いのに・・・などと思ってしまいます。

そうした苦労を経て、ようやく美味しい蟹の身とご対面となるわけですが、蟹の殻を剥きながら思うことは、蟹を最初に食べようと考えた人は大したものだなあと感心してしまいます。
まず、この見た目、今でこそ蟹は食べれられると当たり前に思っていますが、何も知識がない状態で、海で見かけた蟹を食べようと思うでしょうか?
そして、硬い殻に覆われたその身体に、まさかこれほど美味しい身が詰まっているなんて思いもよらないことでしょう。
この蟹を食べようと思った人の中には、相当に飢えていて、たまたま目の前を横切る蟹だって、一時の飢えをしのぐ食べ物になるやも知れないと、必死になって殻ごと食らいついたり、蟹をバラバラ分解して食べれるところはないかと探したに違いありません。
そうして、この身にたどり着いた時の感動は如何ばかりだったでしょう。

ところで蟹という感じは字画にすると19画もあるんですよね。
字形の見た印象も、いかつい蟹の殻を思わせるもので、漢字と蟹の姿がピッタリと符合しているように感じます。
漢字って不思議なもので、字画が多いと一気に難しく感じて、覚えにくい、難しい漢字という苦手意識を持ってしまいがちです。

でも蟹という字をよく見てみると、「」と「」という字が組み合わさって出来ています。
このうち「解」は、角+刀+牛で構成されている漢字ですが、これはそのまま牛の角を刀で切り落とす様を表現していまして、つまりはそれが牛全体を切り分ける、分解するという行為そのものの意味を含んでいます。
解

つまり、「解」という漢字は、
◆切り取る、脱ぐ、はなれる、分かる、分別する、さとる、理解する、解き明かす
といった意味を持つことになります。
つまり、蟹というのはその身体、足の節々がバラバラに分離されるので、この解があてられたと考えられます。
つまりは、
蟹分離

こういう状態と言うことでしょうか。

同じくこの「」によって構成される漢字に「」(カイ ケ おこたる)という字があります。
「懈」は「解」のバラバラにするという意味を受けて、身体を流れる気の流れがバラバラになり、まとまりのある気の流れを維持できなくなってしまう状態のことを指し、主な意味としては
◆おこたる、ゆるむ、疲れる
この字を含む語句に「懈惰」(かいだ)というのがあります。
これは我々の教科書とも言える医学古典「黄帝内経素問・霊枢」にもよく見かける単語であり、
例えば霊枢邪気病形論においては
「黄帝問於岐伯曰、首面与身形也、属骨連筋、同血合於気耳。天寒則裂地凌冰、其卒寒、或手足懈惰、然而其面不衣、何也。」
(黄帝は岐伯に尋ねました。人の顔面部と体幹部分はおなじ筋骨で連なり、同じようにして気血が巡っているはずである。しかし地面が凍り付くような天候や突然の寒冷に襲われた時、手足はかじかんで動きが鈍るものだが、顔面部は衣服を着なくとも寒さに耐えられるのはどうしてであろうか?)
という風に引用されております。

解の字に因んで、お酒好きの人に、気を付けて頂かなければならないのが
酒風」という病で、これは素問病能篇の中に見られる症状で、
「有病身熱墜、汗出如浴、悪風少気。~病名曰酒風。」
(身体に熱感を感じ、四肢が重だるく、水を浴びたように汗が出て、風にあたると気分が悪くて息苦しくなってしまう。これを酒風と言います。)
これはお酒を飲んだ後、しばし体温が上がり、発汗が促されます。
その際、火照りを冷ます為、風にあたりすぎると、飲酒によって汗の穴が開いた所に直接風を受けるので、急激に身体が冷やされることになります。
特に、この時期、外は暑く、クーラーの効いた部屋でしたたかに酔っぱらい、掛け布団も何も掛けない状態でそのまま寝てしまった翌朝などに、以上に身体がだるく、風邪を引いたかのように身体がしんどいなんて言うことを訴える方が増えて参ります。
お酒によって、心身の緊張は存分に解きほぐして頂き、逆に懈惰・解墜なんて状態を招かないよう、お気をつけ下さい。

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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


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