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お灸のお話し

2005.10.05(02:47) 24

お灸というと、当然もぐさが必要となるわけですが、このもぐさの原料がヨモギであることを知らない方も結構いらっしゃるようです。
ヨモギというとお団子なんかに練り込んだり、普段何気なく道ばたで目を留める雑草の中の一つと言った感じで、我々にとってはとても身近な草なのではないでしょうか?

もぐさはこうしたヨモギが、大変な手間と労力をかけて作られたものなんです。
単純にヨモギから出来ていると言っても、ヨモギの葉っぱの表面には毛茸(もうじょう)と言って、白い毛のようなものが細かく生えているのですが、もぐさはこの毛茸でも、主に葉っぱの裏側に生えているもので作られています。
このような毛茸は若い葉っぱに多く生えていますので、成長しすぎない内の、初夏の頃には刈り取りをして、冬になるまでずっと日陰干しをして乾燥させておきます。
日陰干しされたヨモギは、薪や木炭などを燃やした火力を利用して、水分が限りなくなくなるまでより一層乾燥させます。
この時、ガスを利用した火力では、ガスそのものに水分が含まれていて、完全にヨモギを乾燥するのには適さないそうです。
そうして乾燥したもぐさは細かく切り刻まれて、石臼で磨り潰され、葉肉や茎の部分と毛茸とを分離させていきます。
次にふるいにかけ、さらに唐箕と言って風の力を利用して、不純物を取り除き、純度の高い毛茸によるもぐさに精製していきます。
この行程の中で、石臼で挽く作業やふるいにかける作業を入念に行うほど極上のもぐさに仕上がります。
純度の高いもぐさとなると、ヨモギの原料に対して、だいたい2%程度のもぐさしか取り出すことが出来ないそうです。
極上のもぐさですえるお灸は、もぐさのキメが細かいので中に空気が入ることがなく、熱くなりすぎずにマイルドな熱さのお灸をすえることが出来ます。
また臭いや煙もそれほどきつくなることはありません。
そうした極上のもぐさは、もぐさ自体が金色に輝くような色をしています。
対して、ヨモギの成分に近い、毛茸の純度が低いもぐさになると、その色は緑色に近く、お灸をした時の臭いや煙も強くなってきます。
不純物が多く混じっているので、中に空気が混じりやすく、燃焼温度も極上もぐさのそれに比べると熱くなりやすいのが特徴です。
我々がお灸をすえる時には、こうしたもぐさの質の違いも考えて、適宜すえる場所、状況に応じて使用するもぐさを変えています。
極上のもぐさは米粒より小さなお灸をする時などは、非常に揉みやすく、触り心地も良いので、恵樹堂でも欠かせないもぐさであります。
最近では、こうしたもぐさを作られる方が少なくなったり、原料のもぐさが不足するなどもあって、極上のもぐさは非常に貴重なものになっています。
たまに道ばたで、ふとヨモギを見かけた時などは、「この量でお灸が一回分くらいかな・・・」というように、つい思ってしまいます。
もぐさにしても鍼にしても、我々の手元にくるまでには多くの方の手を介すことで、初めて扱うことが出来るわけですよね。
道具は心を込めて大切に扱わないといけませんね。
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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


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