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タンパク質の一生

2009.04.23(21:59) 292

最近、本を読んで感動しました。

タンパク質の一生―生命活動の舞台裏 (岩波新書)タンパク質の一生―生命活動の舞台裏 (岩波新書)
(2008/06)
永田 和宏

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まず、ヒトの基本的構造を担うタンパク質を紹介する冒頭の行があるのですが、これが実に面白いというか、驚きの話で、この導入部からこの本にグッと引き込まれてしまいました。

僕達の身体を構成する最小の単位は細胞ですが、ヒトの身体はこの細胞約60兆個分で出来ています。
この細胞は10~20ミクロン(1ミリの100分の1から50分の1)程度の大きさで、この中には更に核が存在し、更にこの核の中には遺伝情報を持つDNAがあります。
このDNAは46本の染色体として核に納められているのですが、一個の細胞に含まれるDNAをつなぎ合わせて真っ直ぐに一本に伸ばすと、なんと約1.8メートルもの長さになるんだそうです。
さらにこれから、ヒトの持つ全ての細胞のDNAをつなぎ合わせると
1.8メートル×60,000,000,000,000個で1000億キロメートルにもなるんだそうです。
これは太陽と地球をなんと300往復も出来る長さ

命の大切さを100回繰り返し話すよりもDNAの長さを話して聴かせる方がよほど効果的だと著者もこの本で語っていましたが、共感せずにはいられません。
本はタンパク質の一生と題して、タンパク質の織りなす生命統制システムを分かりやすく丁寧に解説しています。
人間社会の物流に例えて、タンパク質の働きとその仕組みを解説している所など、ただただ感心するばかりです。
実生活は不器用で怠惰な自分の身体の中で、これだけシステマティックでかつ効率的な仕組みがあることに驚いてしまいました。
僕達が授かった生命の神秘と偉大さ、生を全うする事の奇跡と言うものに胸が熱くなる想いです。

生命の神秘とは別に、東洋医学を学ぶ立場のものからも感動してしまう点がありました。
それはDNAからタンパク質の最小単位であるアミノ酸を解読する過程に纏わる話です。
DNAは二重らせん構造を呈していて、この2本組のDNAがほどかれ、新たなDNA情報がmRNAに複写されていきます。
このDNAにはアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)という四種類の塩基がA-G、C-Tと言う決められたペア同士が対になって並んでいます。
DNA情報からアミノ酸を複製する際は、これら4つの塩基を三つで一つの情報(遺伝暗号:コドン)として読み込んでいくと全部で64通りの情報が得られることになります。
この64という数字が、実に東洋思想と一致する点で、陰陽を6回分化させた易に見られる六十四卦を彷彿とさせるのです。
陰陽の艾(こう)の組み合わせによって、あらゆる事象、運命を象った所など、まるで遺伝暗号のようです。
はるか昔に考えられた思想が、最新の科学の中においてもその法則を見出すことが出来るのは、まさしく古代先人達の叡智と言うべきです。

生命化学の読み物として、また東洋思想を想起させてくれる読み物として、とても興味深く読ませて頂きました。
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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


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