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お酒の話

2009.04.24(23:06) 293

国民的アイドルのお酒による失態が話題となっています。

お酒は「百薬の長」と言われるように、鬱積したストレスを発散し、時に人と人とのコミュニケーションの場に欠かせないものです。
お酒の需要は今に始まったことではなく、有史以来から人々の生活と共にあり、嗜好の為だけでなく、お酒を薬として処方したり、神事に祀られる御神酒として幅広く用いられていました。

どんなに時代が変わろうが、お国が違かろうが、人の住まう所にお酒がないなんて事はあり得ません。

しかし、このように人とは切っても切れないお酒ですが、冒頭の事件のように、過度な飲酒により、失態を演じてしまったり、健康を害したりと言ったことは、常に背中合わせでついて回る問題でもあります。


そこで今回はお酒について東洋医学的な視点から科学してみようと思います。

東洋医学では、お酒のことを「熟穀の液」なんて言います。
これは、穀類を発酵、熟成させた飲み物と言った意味で、その性質として気の巡りが早く、サラサラと染み込みやすいとあります。

黄帝内経霊枢の営衛生会篇第十八には
『人飲酒、酒亦入胃、穀未熟而小便独先下、何也。
酒者、熟穀之液也。其気悍以清、故後穀而入、先穀而液出焉。』

(お酒を飲むと、食べ物も一緒に食べているのに、小水だけ先に出てくるのはどうして?)
と聞いているのに対して、
(お酒は気の動きが速く、腸に吸収されやすくもあるので、食べ物より先にお小水として出てくるのですよ。)
なんて言うやりとりがあります。

僕などは、お酒を飲むと、いつもの三倍お手洗いが近くなってしまいます。
昔の人は、そんな様をお酒の性質として考えていたのですね。

同じく霊枢の経脉篇第十には
『飲酒者、衛気先行皮膚、先充絡脉、絡脉先盛。故衛気已平、営気乃満、而経脉大盛。』
(お酒を飲むと、酒は熟穀の液で巡りが早いから、すぐに人の身体の表面を巡る気と一緒に皮膚に出て、まず絡脉を満たしていきます。すると、身体の表面を巡る気が発散されて、その後に営気が脉中に入り、経脉が盛大になってくるのです。)
と言う記述があります。

お酒を飲むと、飲んだその時から身体がポカポカして、陽気な気分になってきますが、これもお酒のもつ気の巡りが早いという性質が、身体に入り込んだ際、身体の気と合わさり、一気に身体を巡る気の回転が良くなると言うことによります。
いわゆるこれがホロ酔いなんていう状態になるのかと思います。

しかし、ここから更にお酒を過ごしてしまうと、お酒というのは真っ先に胃に入り込みますので、この胃の府に繋がる足の陽明胃経という経絡が急激に余分な気で満たされてしまうことになります。
この胃経という経絡が病んだ時、その病気の現れ方は、先ほどの霊枢経脉篇の中にこう記してあります。
『是動則病洒洒振寒、善呻數欠、顔黒、病至、則悪人与火.聞木聲則然而驚、心欲動、獨閉戸塞牖而處、甚則欲上高而歌、棄衣而走、賁響腹脹。』

(胃経が病めば、ガタガタと震えたり、よく呻いたり、欠伸をしたりして、顔色が黒くなります。さらに発症すると人に八つ当たりしたり、火を嫌がったり、木を打ち鳴らす音を恐れたりして、落ち着きが無くなり、独りになって室内で引きこもったり、あるいは、高い所に登って歌を唄ったり、衣服を脱ぎ捨てて走り回ろうとし、お腹がクルクル鳴って腹が張るなどします。)
とあるので、お酒に酔って泥酔の方が、挙動不審になり大声で叫んだり、唄ったり、更には衣服を脱ぎ捨てて裸になりたがったりすると言うのも、この胃経に余分に気が集まってしまった事が引き金となって起こる行動なのです。

この胃経に現れる症状は、何もお酒に由来する現象だけでなく、最近問題となっている引きこもりや登校拒否などにも当てはまるもので、これらは主に食生活などの乱れやもともとの消化器系の虚弱、あるいは疲労の蓄積によって、お酒と同じように胃経に余分な気が停滞してしまうことによって起こることが多いのです。

お酒に関しても、同じ人でもその時の体調によって、酔い方が酷い時と、そうでない時というのがあります。
いつもに比べて酔いの回りが早いとか、悪酔いしてしまうなどする時は、振り返って、自分の生活習慣に無理がきていないかどうかを考えるバロメーターにもなります。

何にしても、お酒は節度をもって、楽しく明るく飲んで、ホロ酔いで気持ちよくなる程度で切り上げるのが身体にも良いと言うことです。
お酒と上手に付き合えるような大人の飲んべえを心懸けましょう。
自戒を込めて。。。。
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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


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