タイトル画像

人を見る目

2009.05.14(23:58) 298

治療院のある東急東横線反町駅の二つ隣に白楽と言う駅があるのですが、最近はこの白楽駅にある六角橋商店街に足繁く通っております。
六角橋商店街は戦前から続く横浜の三大商店街の一つで、神奈川大学が最寄りという事もあって、学生さんが行き交う活気のある商店街です。
特に僕はアーケードの仲見世通りが大好きで、アーケード内は色々なお店が軒を連ねていて、この通りを散歩すると、まるでおもちゃ箱の宝物を探しているような気分になります。
六角橋商店街

散々歩き回った後は、アーケードの中程にある「珈琲文明」というお店で一休みしています。
珈琲文明
昭和を感じるレトロな雰囲気と芳しい珈琲の香りについ時間を忘れて長居してしまいます。
珈琲
自分で言うのも何ですが、僕は暇な時間を潰すのが全然苦じゃありません。
いつも出かける時には本を持っていったり、読む本がなければ外を見て行き交う人達を眺めたりしているので、何だかんだ言ってあっという間に時間が過ぎてしまったように感じます。
ですので、座る席はなるべく外が広く見える窓側を選ぶことが多いのです。
行き交う人達を眺めることは、本職の鍼灸治療に繋がるトレーニングの一端のようなもので、我々鍼灸師は、患者さんが治療室に入ってきた様子で、その方の体質や罹りやすい病気などを推察して治療の際の参考にしているからです。

東洋医学の教科書たる黄帝内経という古典には、これら人の性質を陰陽五行に基づき分類した診断術が載っています。
その一つに黄帝内経霊枢の陰陽二十五人篇第六十四と言う項目がありまして、ここに人間を木火土金水の五つの要素に分類し、それぞれ特徴となる身体の様子や仕草などが詳細に描かれています。
その内容たるや、現代にも十分通用するもので、折りに触れ、この陰陽二十五篇を参考にしながら人と対しますと、大いに納得させられることが多々あります。

そのいくつかを抜粋していきますと

木形之人、比於上角、似於蒼帝。其為人蒼色、小頭、長面、大肩背、直身、小手足、好有才、労心、少力、多憂労於事。能春夏不能秋冬、感而病生、足厥陰佗佗然。
【木形の人は、さながら東方の人に似ています。
その肌色は青みがかっていて、頭は小さく、面長で、肩や背中が大きく張り、スラッとして
、手足は小さく、才知に富んで、心労しやすく、力は強い方ではなく、よく憂うことが多い性質です。
春夏の季節には調子が良いのですが、秋冬になると調子を崩し、病気になりやすいのです。
足の厥陰肝経に属し、その性格は穏やかで落ち着いています。】


火形之人、比於上徴、似於赤帝。其為人赤色、広■、鋭面、小頭、好肩背髀腹、小手足、行安地、疾心、行揺、肩背肉満、有気、軽財、少信、多慮、見事明、好顔、急心、不寿暴死。能春夏不能秋冬、秋冬感而病生、手少陰核核然。
【火形の人は、さながら南方の人に似ています。
その肌色は赤みがかっていて、背中は広く、顔は尖って、頭は小さく、肩背や腰腹の均整がとれ、手足は小さく、歩き方が安定しています。気が短い方で、行動する際はいかり肩を揺るがせながら、気迫がこもった態度であり、金銭には執着が無く、疑り深く、憂うことが多い、物事の見通しに明るく、愛嬌があり、せっかちなので、寿命を全うすることなく突然亡くなる事があります。
春夏の季節には調子が良いのですが、秋冬になると調子を崩し、病気になりやすいのです。
手の少陰心経に属し、真面目で誠実な人柄です。】


土形之人、此於上宮、似於上古黄帝。其為人黄色、円面、大頭、美肩背、大腹、美股脛、小手足、多肉、上下相称、行安地、挙足浮安心、好利人、不喜権勢、善附人也。能秋冬不能春夏、春夏感而病生、足太陰敦敦然。
【土形の人は、さながら中央の人に似ています。
その肌色は黄みがかっていて、顔は丸く、頭は大きく肩背はふっくらとして、腹は豊かで、太ももから、ふくらはぎに至るまで肉付きが良く、手足は小さい、全体的に肉付きがよい、上半身下半身の均整がとれ、歩き方が安定し、足の運びが軽やかで、人に親切であり、権勢を振るうことを好まず、他人につき随う性質です。
秋冬の季節には調子が良いのですが、春夏になると調子を崩し、病気になりやすいのです。
足の太陰脾経に属し、大らかで落ち着いた人柄です。】


金形之人、此於上商、似於白帝。其為人方面、白色、小頭、小肩背、小腹、小手足、如骨発踵外、骨軽、身清廉、急心、静悍、善為吏。能秋冬不能春夏、春夏感而病生、手太陰敦敦然。
【金形の人は、さながら西方の人に似ています。
その肌色は白みがかっていて、頭は小さく、肩背は小さく、腹も痩せていて、手足も小さく、踵などは骨張っていて、骨格自体もほっそりとしている、身綺麗でさっぱりしており、せっかちであるため、じっとしていて静かに見えても、いざ動き出すとすばしっこく、官吏に向いている性質である。
秋冬の季節には調子が良いのですが、春夏になると調子を崩し、病気になりやすいのです。
手の太陰肺経に属し、大らかで落ち着いた人柄です。】


水形之人、此於上羽、似於黒帝。其為人黒色、面不平、大頭、廉頣、小肩、大腹、動手足、発行揺身、下尻長、背延延然、不敬畏、善欺始人、戮死。能秋冬不能春夏、春夏感而病生、足少陰汗汗然。
【水形の人は、さながら北方の人に似ています。
その肌色は黒みがかっていて、顔の彫りが深く、頭は大きく、顎は角張り、肩は小さく、お腹は豊かである、手足をよく動かし、歩く時は身体を揺るがせ、お尻から下は長く、背も長くて長身である。人を小馬鹿にする所があり、しばしば他人を欺いたりするので、殺害されることもあります。
秋冬の季節には調子が良いのですが、春夏になると調子を崩し、病気になりやすいのです。
足の少陰腎経に属し、人の目を気にせず、気儘に振る舞うような人柄です。】


これらの事は、陰陽五行説の理論と長年の人間観察を組み合わせた結果、導き出されたもので、必ずしもすべての人がこれに当てはまるわけではありませんが、こうしたことを知っておくと何かと重宝するものであります。
昔から、医術に優れた医師は、望診の技術にも長けていたと言われ、難経六十一難にも「望んで之を知る、之を神(しん)と謂う。」と称されています。
僕などは、まだとても神の域には達しておりませんが、こうした人の外形や態度からも体質や病気の所在について多くの情報を得られることを日々実感しております。

東洋医学って本当に奥が深いです。
スポンサーサイト


天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


<<夢について | ホームへ | 献血>>
コメント
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://keijyudou.blog20.fc2.com/tb.php/298-bd0cb25b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)