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線香

2009.06.19(23:09) 307

気分転換という訳ではないのですが、今まで使用していた線香を、今回思い切って別の種類の線香に変えてみました。

一般の方からすると線香は、お墓や仏壇に供えたり、お香を焚く時の用途しかあまり使用目的がなさそうに思うかもしれません。(そう言えば、蚊取り線香なんて言うのもありましたね。)
しかし鍼灸師にとりましては、線香が無ければお灸が出来ない(そこまで大げさではないかも知れませんが・・・・)と感じるほど、とても大切な治療道具の一つです。
もともと線香がお灸をすえる際の点火器具として用いられたのは、お寺の和尚さん(昔のお坊さんは医者の役目も兼ねていました。)がお灸を行う時、手近にあった線香を使ったのが始まりだそうです。
そもそも線香の製法が中国から伝来してきたとされるのが、16世紀末の天正年間という話ですから、お灸治療に線香を用いるようになったのはそんな昔という事ではなかったようです。
では、それまではどうやってモグサに火をつけていたかと言うと、炙った火箸を使っていたといいますから、現在の我々がすえるような米粒大・半米粒大・糸状灸等のお灸はとても出来なかったようであります。

そんなこんなで、今ではお坊さんに次ぐくらいお線香を消費しているのは鍼灸師なのかもしれませんね。
とは言っても、我々が現在使っている線香は、お供えに使う線香に比べるとやや太めになっていて、燃焼の持ちが長いのが特徴です。
学生時代、初めてお灸用の線香を見た時、まるで線香の親玉みたいな太さに少しビックリしたものでした。
実際に太い方が持ちやすく、また小さなモグサにも点火しやすいのです。
お灸の実技になれない頃は、緊張のあまり手に汗をかき、線香の持ち手の部分の色が変わるくらい湿らせてしまったものでした。
慣れていない時によくやるのが、「提灯」と言って、モグサに点火しようとして線香を近づけていくと、その先端にモグサがくっついて、線香の先についたまま燃焼してしまいます。
さながら線香の先に提灯をぶら下げているように見えるので、「提灯」という風流な言い回しをされていますが、実技テストにおいて、決められた時間に一定個数のモグサを燃焼させないと合格できないと言う場面で、この提灯をやらかしてしまった時には、心の底で「オ~マイゴッド!!!}と叫んでしまいます。(実際に叫んでいたかも知れませんが・・・・)
そんな学生時代の苦楽を共にしてきた線香ですが、今回は思い切って違う線香を使ってみることにしました。
別に大した理由ではなく、他の線香でお灸をすえるとどんな感じなんだろうっていうただの興味本位なのですが。

線香
今まで使っていたのが左側の線香、新しく購入した物が右側の線香です。
写真では見づらいかも知れませんが、左の線香に比べると右の線香の方が一回り細くなっています。
最初、新しい線香は細くてすぐに折れてしまいそうな頼りなさげな印象があり、もの凄く違和感がありました。
10年以上使っていた物からいきなり変えてしまったので、それは仕方がない事かも知れません。
それでも使い慣れてくると、まあこんなもんか、と言う感じで、さほど不自由な感じはしないのですが、やはり前の太い線香がもつ、あの重厚感がないのは何とも寂しい気がします。

でも実は、新しい線香を200本くらいまとめ買いしてしまったので、全部使い切る頃にはその細さが逆に手になじむようになっているのでしょうか?
今度また元の線香に戻した時に、太すぎて使いづらいと感じていたりして。。。。

ちなみに端っこについている電極クリップは、ちびた線香をギリギリまで使えるように柄の役割になるもので、これのお陰で最後の最後、5ミリくらいまで使い切る事が出来る優れものなのです。
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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


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