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“ハイ”便のお話

2009.09.04(22:21) 341

少しビロウなお話なのですが、普段僕達は便意を催しても、それを適切にコントロールする事が可能ですよね。
もし、ウンチが心太のように抑えようもなく、次から次へと溢れてしまおうものなら、僕達は相当不便な思いをしなければならないでしょう。
それは便に限らず、おならであっても、同様に言えることかと思います。
僕達は、意識的に固形物と気体とをちゃんと選り分けて、造作もなくおならだけを器用に出すことも出来ます。
改めて考えてみると、肛門という一つしかない穴なのに、こうした仕事をキチッとこなせると言うのはすごいことなのではないのでしょうか!

このような芸当が出来るのも、肛門(特に外肛門括約筋)の神業とも言える微妙な収縮の調節により、便意を感じてもそれを肛門の手前で留めたり、また排便行為を自分の意思で自由に決定することが出来るのです。
ウンチとオナラの出し分けは、さらに緻密でウンチであれば、、外肛門筋をゆっくり大きく弛めるのに対し、オナラであればその筋肉を少しだけ弛めるにとどめ、出来た隙間から気体を逃がすというウルトラCの離れ業をやってのけているのです。

兎角マナーを問われるオナラですが、こうして考えると、人間の身体が織りなす芸術的な音と思えば、少し寛容になれるかも・・・・・って、なわけないですね。

肛門を含め、ウンチの生成、運搬、排出などの一連の行程は大腸の役割です。
東洋医学では、この働きの事を踏まえ、大腸のことを『伝導の官』と呼んでいます。
そしてこの大腸は、呼吸に関わる肺と表裏陰陽の密接な関係にあるというのが東洋医学の考え方です。
さらに東洋医学では、肛門の事を『魄門(ハクモン)』と言います。
『魄(ハク)』と言うのは、肺に宿る気のことで、肺が行っている気の循環や精神活動などの根源を為すものです。
『魄』は主に快・不快の感情、本能、反射的動作などに与しています。
現代医学では、肛門はただただ肛門でしかありませんが、肛門の事を魄門と名付けていることからも、気をつかさどる肺が肛門に大きな影響力を有しているという事を示しています。
つまり、先ほどのお話のように肛門を弛めたり引き締めたりするコントロールなどは、肺の作用が働いていることなのです。

肺の力に偏りが生じてくると、そうした魄門のコントロール作用も効かなくなり、例えば肛門の緊張が緩まず便秘になったり、残便感があったり、便が漏れやすくなったり、オナラが止まらない、オナラと一緒に粗相してしまう等の症状が起こることがあります。
また肛門付近に出来る出来物、痔に関してもこの肺の変動で起こることが多く、それらの治療に関しては肺経にあるツボに反応が出ていたり、鍼やお灸をすることで改善されるなんて事もあります。
例えば、喘息の治療で、肺経に対して行っていた治療によって、呼吸器系の調子が良くなることはもちろん、「最近はお通じの調子が良いんです」というようなお話を耳にすることもありますが、これも肺と大腸が非常に深い関わりがあるのだなぁと臨床を通じて実感することでもあります。

人間の身体ってそれぞれの器官が独立している訳ではなくて、すべてが関連して一人の人間の生理活動が成り立っているんですよね。
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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


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