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葛根湯医者

2005.12.30(16:10) 47

恵樹堂は本日まで診療して、明日から3日までお休みとなります。
明日31日は、院内の大掃除をしようと思っています。
でも、困ったことに今日がゴミの回収日でしたので、掃除で出たゴミは年越しと言うことになりそうですね。〔笑)

最近は、年末の慌ただしさや一年間の疲労がたまり、ここに来て風邪で治療をする方が多くなってきました。
大掃除などで外で窓ガラスを拭いている時に、冷たい風にあたって、風邪になってしまわないようお気を付け下さい。
ちなみに葛根湯医者ってご存じですか?
落語の中のお話しで、頭が痛いと患者が訴えれば、葛根湯を処方し、お腹が痛いと患者が言えばやはり葛根湯を処方する。
そんなお医者さんを揶揄して葛根湯医者と面白おかしく落語にしたのが、この葛根湯医者でのお噺です。
そのことから葛根湯医者というと藪医者の代名詞となっています。

最近は、漢方薬が非常に見直されてきて、様々な漢方薬が病院でも処方されるようになりました。
中でも、この葛根湯は風邪の時のお薬として、一般にもすごく馴染みのある漢方薬の一つではないでしょうか?
しかし、ただ風邪に効くという理由で、安易に葛根湯のような漢方薬を選択してしまってはいないでしょうか?
元来、漢方薬を処方するためには、医者が患者の体の状態をつぶさに診察し、例えばそれは脉を取ったり、お腹を触ったりなどして、その患者にあったしかるべき診断(東洋医学では証〔あかし)と言います。)を立てた上で、その人の体や病気の状態に適合した薬を処方するのです。
ちなみに葛根湯というのは、ゾクゾクと寒気を感じたり、鼻水やくしゃみがでるようになりはじめた、極めて風邪の初期段階で服用するものです。
効果としては、まだ体の奥底までに邪(現代医学的に考えるとウィルスとか細菌と言うことになるでしょうか)が入り込まず、まだ浅い部分でその邪と患者さんの生命力がせめぎ合っている時に、この葛根湯の持つ発汗作用を利用して邪を外に追い出すのです。
ですので、慢性的な風邪症状や邪が体の内部に浸透してきて体の節々が痛くなったりする場合や、患者さんの体が非常に弱っていてやたらに汗をかかせられないような時は、それに従った漢方薬を選択しなければなりません。
そういった条件を漢方医は証を立てて、見極めていくのです。
漢方薬に限らず、鍼灸にしてもそうですが、これら東洋医学の特色というのは、いわゆる病名治療ではありません。
現代医学のように、この病名にはこの薬、この症状にはこの薬と言うわけではなく、同じ症状・病名でも使うツボ・処方する薬が異なることがありますし、その逆に異なる病名でも使うツボや薬が同じと言うこともあります。
それは全て、患者さんの体を観察して得られた証に基づいて治療が行われるからです。
漢方薬というのは副作用がないとか、安全だというような認識を持たれている方も多いですが、漢方薬だってちゃんとした診断に基づく処方がされていないと、なかなか思うような効果が見られなかったり、むしろ症状に合わない漢方薬を服用することで、かえって病気をこじらせてしまうことだってあり得ます。
素人葛根湯医者になって、闇雲に風邪には葛根湯というのは避けなければいけませんね。
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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


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