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脉診?脈診?

2006.01.25(17:52) 62

よく患者さんとのお話の中で、「“えいしん”って何ですか?」と尋ねられることがあります。
確かに、僕もこの業界以外で脉と言う漢字を見かけたことはありませんので、多くの方がそうお尋ねになるのももっともな事だと思います。
漢字そのものは脉=脈ですので、そのまま“みゃく”と言うふうに読みます。
この脉・脈はその字面通り、心臓のポンプ作用により、血液が押し出さされ、それによって血液の通り道である血管が波打つ現象、つまり脈拍、脈動、鼓動を表す脈であります。
東洋医学では、患者さんが今現している体の状態、治療の方針、方法、予後などを、主には手首で拍動している脈動を診ることで、判断していきます。
これを脉診・脈診(みゃくしん)と言います。
ですので、「脈診」と表記してもけっして間違いではありません。
むしろ、この脈を当てた方が、素直に“みゃくしん”と読めるかも知れません。

では、なぜ恵樹堂でこの脉診という字を使用しているかと言いますと、やはりこの脉診を最初に勉強するにあたり、その教科書とも言うべき書籍に引用されている“ミャク”という字に、この脉の字があてがわれているのが大きな理由です。
その教科書と言えるもののいくつかに、中国に現存する医学書では最も古い「黄帝内経(こうていだいけい)」という本があります。
この本が記されたというのが、今から2000年以上前であったとされているので、中国史の中では、春秋戦国時代から前漢の時代にかけての間に成立していたと考えられています。
現在、巷で言われる東洋医学的な思想というのは、この本を元として、成り立っていると言っても過言ではありません。
その後に著された東洋医学に関する書物などは、ほとんどが、この黄帝内経の註釈であったり、批評であったり、この本の内容に自らが臨床で気づいたことを肉付けしたりと、まさしく東洋医学の源流とも言える、我々にとっては必携の本とも言える代物であります。

その本には、一貫してミャクの事を脉という風に記載しています。
東洋医学では、この脈拍というのをただの血液の流れとは捉えず、脉を拍動させている要因を気の流れとして考え、その上で、この脉診という診断の仕方が構築されています。
鍼灸治療で“ミャク”をとるという場合には、気の流れも含めた拍動を捉えるという考えに基づいています。
ですので、黄帝内経に引用されている脉と言う漢字の表記を尊重して、恵樹堂ではこちらの脉を用いています。

では実際にこの脉によって、体のどういった状態を見ているのか?、と言うことに関しては、とても長くなりそうなので別の機会にで触れたいと思います。


蛇足ですが、恵樹堂の門標は
脉診流

脈の字が使われておりますが、この門標は、書道をたしなむ祖父にお願いして書いて貰いました。
当初は、脉の字で書いて欲しいと依頼してあったのですが、これではみんな読めないだろうとわざわざ気をきかせて、脉を脈に書き換えて送ってくれました。
せっかくのご厚意ですので、今は有難く門標として使わせて頂いております。(笑)
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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


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