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名人たちの経絡治療座談会

2016.05.16(22:52) 660

最近、購入した本は、医道の日本社から出版された「名人たちの経絡治療座談会」です。
おそらくこの業界に携わる人じゃないと、書店で見かけてもまず手に取ることはないニッチな分野であるかと思います。
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明治の開国以降から昭和の戦乱期に至るまで、衰退の一途を辿ってきた、東洋医学。
一旦は消えかかっていた鍼灸の灯火を、再び体系化された医術として、復興への道筋を打ち立てた偉大な先人たちの生きた声が、この本の中に蘇っています。
今読んでも、これまで学んできた鍼灸治療の根幹と言える思想や理念が、どのようにして生み出され、また臨床実践を重ねていく中で築きあげられてきたかが、活き活きと語られています。
何にも増して、この本に出てくる先生方の鍼灸治療に対する溢れんばかりの情熱と確固たる強い意志が行間に滲みでていて、読む僕までもが胸が熱くなって、喝を入れられている気分になります。

今のようにネットで検索すれば、大概の情報や書籍などを入手できる便利な時代と違い、当時は貴重な古典を誰かが持っていると知れば、苦労を厭わず、そこに足を運び、手書きで写して自らのものとしていました。
不便な時代であったからこそ、こうした手間が逆に臨床家としての血肉を形作ったのかも知れませんね。
現代は情報過多の時代と言われて久しいですが、知りたい情報に何の苦労もなく触れることが出来る反面、ともすると情報に対して表面的に理解したつもりになってしまい、得られた情報を自らが吟味したり、精査すると言う過程がおざなりになっている様な気がします。
そんな事にも思いを馳せながら、じっくりと1ページ、1ページ、偉大な先生方の言葉から、何か一つでも得られるものを吸収したいと言う気持ちで、普段よりもじっくり時間をかけて読み進めています。


この本に登場されている岡部素道先生の語った言葉。
「一本の鍼に命をかける。私達はこの小さな一本の鍼に患者の命をかけ、同時に私達の命をかけて、日々の治療を続けています。」
読んだ瞬間、ガツーンと胸に響き、背筋がピンと伸びる思いとなりました。
これを読んで明日からの活力に変えていきたいと思います。

くるみ堂長岡はり灸院
389−0512
長野県東御市滋野乙2320−1
0268−63−7280
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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


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