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菱野温泉の御衣黄(ぎょいこう)

2017.05.11(22:02) 740

4月の中旬より、熱病に浮かされたかの如く、桜の開花を追ってあちこちと走り回わる日々もそろそろフィナーレを迎える事になりそうでうす。
東御市のお隣、小諸市にある菱野温泉には緑色の花をつける「御衣黄(ぎょいこう)」と呼ばれる珍しい品種の桜があるそうです。
通常の桜よりも開花時期が少し遅いらしく、丁度ゴールデンウィーク頃に咲き始めるのだそうです。
その噂を聞いて、連休初日の3日に菱野地区をジョギングで巡る事にしました。

菱野地区は浅間山麓の山間に位置していて、小諸市の中で最も山に近い集落と言われています。
そんな菱野地区は、浅間山からの豊富な伏流水が流れ込む場所でもあり、村から更に登った所にある菱野温泉は、鎌倉時代に傷を負った武将が薬師如来の教えに導かれて発見したという歴史ある温泉でもあります。
まずは車で菱野温泉まで向かい、そこから菱野の郷へとジョギングで下って行くこととしました。

菱野温泉で車を停めて、走り出すとそこには僕を見つめる熱い瞳が!
しかも僕と目が合うと、ゆっくりと近づいてくるではないですか!
いつもジョギングに出る時は、途中で飲み物を購入できるよう、200円を常時携帯しているのですが、このつぶらな瞳にほだされて、飼い葉を100円で購入してしまいました。
きっと、この子はいつもこんな風にいたいけな振りをして、訪れる人の懐からお金を巻き上げるのでしょう!
僕もまんまと術中にハマってしまいました。
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ポニーと一時戯れてしまったお陰で、随分と時間をロスしてしまいました。
菱野温泉の周りは丁度桜が満開となっていました。
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ポニーのいる所から、すぐ下った所にある池のほとり、「御衣黄」と思しき桜の木を見つけました。
蕾の形から察するに、桜のようなのですが、残念ながらこの時は、まだ花が開いていませんでした。
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連休明けの月曜日の朝、様子が気になって再訪してみました。
すると蕾が開いて、緑色の花弁がほころんでいました。
ピンク色に染まる桜に比べると、木全体の雰囲気は少し地味な印象を受けますが、花一つ一つをまじまじと見てみると、花弁の中の方がうっすらとピンク色に色づいているものもあって、奥ゆかしい可憐な桜だなあと感じました。
また一つ、印象深い桜に出逢えて大満足です。
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スタート早々に目的を果たししまいましたが、標高1000mの菱野温泉から150m程下り、菱野の集落に入ります。
菱野地区には斜面を利用した棚田が広がっていて、その雄大な田園風景は日本棚田百選にも選ばれています。
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まずは菱野地区の中心に位置する長泉寺を起点にして、グルリと大回りで菱野地区を巡る事に。
境内には、趣のある石仏が並んでいました。
一体一体とても良いお顔をされていて、とても親しみを感じます。
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長泉寺を後にして、小高い山を越える際、菱野地区全体を見渡すことができました。
黒い甍の波の合間から鯉のぼりの鯉が顔を出して泳いでいます。
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丘を跨いで、今度は菱野地区の西側に出ます。
これまた結構な傾斜の下りとなっています。
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菱野の西側に位置する西久保地区には、この菱野を護る産土神である菱野健功神社があります。
社を囲む立派な木々が、いかにも鎮守の森といった雰囲気を醸し出しています。
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神社からさらに西側の坂道を上っていくと、谷間に位置する菱野地区から一転、急に周りの景色が開けて、田んぼが広がっていました。
空を遮る物がなくなって、青空のパノラマの中に飛び込んだ気分です。
この日は穏やかな陽気で、野良仕事にはうってつけな天気でした。
畑で作業されている方は、田を起こして、田植えに向けた準備に余念がありません。
田んぼに水が張られた頃にもう一度訪れてみたいですね。
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田園地帯を抜けて、再び菱野の集落の方へ向かっていきます。
途中、菱野地区を見下ろす場所に、しだれ桜が植わっていました。
もう花は散って葉桜になっていましたが、満開の時はきっと素晴らしい景観だったに違いありません。
来年、この場所に来る楽しみができました。
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菱野地区のそこかしこには、道祖神が祀られていて、そんな石仏に出逢えるのが何よりも楽しくて仕方ありません。
まるで美術館巡りをしているようです。
僕が道祖神をこよなく愛するのは、道祖神一体一体に古くからその地域に住まう方の愛着や思いといったものが溢れ、風化した姿でさえも、そこに座した歳月を想起させ、そうしたものが渾然一体となって、一つの美術品のような尊いものに感じられるのです。
この入村道祖神は、安永3年(1774)建立だそうです。
安永3年と言えば、杉田玄白が『解体新書』を刊行した年です。
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こちらの中村道祖神は、文化12年(1815)のもの。
時代は、ロシアやイギリスの軍艦が日本に現れ、国中が騒然としていた頃となります。
200年前の出来事と言われても、僕の感覚としては全くピンときませんが、この道祖神たちはそんな時代をずっと眺めてきたんですよね。
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菱野集落を抜けて菱野温泉の帰途につきます。
山の方へ向かって、石垣が並ぶ小道を進みます。
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小道を進むと、地元の人に石尊さんと呼ばれる石碑群に行き着きました。
左から不動明王、御嶽山大権現、石尊大権現、羽黒山大権現とあります。
石尊大権現は、養蚕や農業の神様。
建立は文政6年(1823)だそうです。
文政6年はシーボルトが来日した年となります。
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最初は、御衣黄を見に行く為のジョギングでしたが、菱野集落の散策はいろいろな発見があって、走り甲斐がありました。
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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


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