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一人称続き

2006.03.09(13:33) 77

前回に引き続き、もう少しこの話をしていきたいと思います。

一人称で最も一般的なものとなると、「私」になろうかと思います。
これは右の「禾(のぎへん)」と左の「ム」によって構成されている漢字です。
「禾」はアワの穂が実り、垂れ下がった様を表す象形文字です。
そして「ム」は、カタカナではなく物を丸く囲んだ様子を表しています。
ですので、「禾」「ム」が合わさると、収穫した穀物から自分の取り分を確保すると言うことになり、それが個人ひいては自分自身を指す漢字になったと言えます。
逆にこの「ム」の上に、広げるという意味を持つ「八」がつくと「公」という字になりますが、これは囲い込んだ物を広げると言うとになるので、個人に対して反対の意味を持つようになります。

「俺」という漢字に目を向けてみると、こちらは「イ(にんべん)」に「奄」という字が組み合わさって出来ています。
更に「奄」という字は、「申(のびる)」という字に、上から「大」という字で蓋をしていることになります。
意味としては、伸びようとするものに、蓋を被せて封じている状態を表しています。
ですので「俺」という一人称は、大きくなろうとするものを覆う=大きい状態と言うことで、自分を大きく言う場合(大人として)の自称として使われるようになりました。
思春期頃の男の子が、僕→俺に自称が変わる時というのは、無意識にせよ自分は大人に成長しているんだと言うことを示しているのかも知れませんね。

「僕」と言う漢字の右側のつくりをを象形文字で表すと、とっても複雑です。

20060309011556.jpg

これは、頭に入れ墨をされた奴隷が、ミノをふるっているところを表しています。
しかも、お尻からは尻尾のようなものが生えており、人というより、獣のような存在と見なされていた節があります。
この漢字から、当時の身分社会を推し量るに、こうした奴隷として扱われていた人達というのは相当過酷な生活を強いられていたのではないかなと想像できます。

漢字を見ていると、その成り立ちにあたり、時代背景や当時の人達の生活環境などが見えてくることがあります。
一人称でよく使われる漢字を見ていくと、「私」とか「俺」という漢字よりも「僕」という漢字の方が、かなり自分をへりくだった表現であったといえるかも知れません。
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天長地久 ~長野県東御市から送る鍼灸師の日常~


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