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皮膚のお話し~面の皮と柔肌~

2006.03.29(17:03) 84

皮膚は、感覚の受容器、体表の保護、汗などの排泄、体温の調節、呼吸作用などを担っています。
そして皮膚の表面積はおよそ約1.8平方メートル、厚さは平均1.4mm、皮膚が人体に占める重さは約16%にも達します。
そうした人体最大の器官でもある皮膚は、体の状態や内臓の状態を映し出す鏡のようなものでもあります。
東洋医学的にも、視覚を用いて皮膚の色、ツヤを見たり、触覚にて皮膚表面の状態を探ったりと、この皮膚に現れる所見というものを非常に重要視しています。
特に、治療の際は、この皮膚の状態からその人に一番あった最適なツボを導き出すという作業も必要となってくるので、この皮膚所見は何よりも欠くことの出来ない情報と言えるかも知れません。

「皮膚」という漢字は、見たとおり「皮」と「膚」が合わさって出来ています。
これを分解して、単独で「皮」と言う時は、「面の皮」とか「化けの皮」の言葉に見られるように、本来の姿を偽った時に用いる(どちらかというと負のイメージ)表現で使われています。
ここで漢字の成り立ちを見てみると、
皮

獣の皮を、フォークのような手で剥がしているところを表しています。
これから見ると、この皮は剥がされた“皮”という事になります。
面の皮も化けの皮も、両方とも剥がされる事が多いので、まさしくこの皮の漢字がピッタリと当てはまります。

対して「膚」の漢字の由来は、「盧」という漢字の下のお皿の代わりに、体を示す「月」があてがわれたものと言うことになります。
この「盧」と言う漢字の成り立ちは、
膚

とあり、これは昔の米びつのような容れ物、又は炭櫃(すびつ)と言って、火鉢のような物を表していると言われています。
米びつにせよ、火鉢にせよ、中の物を納める器であり、そうすると皮膚も体の臓器を表面から覆って、納める器と見なすことが出来ます。
ちなみに「膚」の方は、これを「フ」のと読む他に、「はだえ」とか「はだ」とも読みます。
意味としては「肌」という漢字と同じかと思われます。
柔肌(膚)、餅肌(膚)と言ったように、血の通った健康的な皮膚をイメージする言葉に多く使われています。

生理学的に言うと、皮膚というのは、表皮と真皮と皮下組織の三層構造によって形成されています。
その内、表皮の一番浅い部分は角質層といって、死んだ細胞が平たく積み重なって覆われています。
これらの角質層は、深層から新しく生み出される細胞によって押し出され、絶えず一定のサイクルで剥がれては、入れ替わっています。
昔の人は、そう言った生理現象を知っていたのかは知りませんが、剥がされた状態を表す「皮」と、血の通っている「膚」の部分をひっくるめて「皮膚」と言う語句が形成されているところに、奥深さを感じてしまいます。
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コメント
こんばんは、青峰先生
最近、私の一日の締めとなりつつあるこのブログ、今晩も楽しく読ませてもらいました。
僕も時々思うのですが、本当に日本語ってよく出来てますよね。何気ない一言でもその成り立ちや意味を調べていくとなかなかに味わい深かったりしますもんね。
しかしながら、皮膚からそんな多くの情報が受け取れるとは知りませんでした。これからは、化けの皮がはがされないように、ちゃんと内面から健康になれるよう努力しまっす!!
【2006/03/30 01:15】 | 社会人1年生 #- | [edit]
時折、ブログの更新が滞ってしまうこともありますが、ご容赦の程。
僕の知人に、このブログで僕の消息を確かめている方がいらして、長いこと更新が滞ると、唐突に連絡を貰うことがあります。
なるべく一月、10回以上の更新を目標にしていますので、更新が滞ることがありましても懲りずに遊びにいらして頂ければと思います。
【2006/03/31 01:12】 | 青峰 #- | [edit]
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